みその その他 30歳代 女性

物忘れが多くなった父、クルマの運転が心配です。

最近、父親の物忘れが目立つようになり、認知の傾向があると言われました。本人は車での外出を希望しており、自分で運転してしまうので家族としてはとても心配です。
父親は67歳で趣味が釣りなので、車がないと大好きな釣りのポイントに行けなくなります。
車の運転をさせるのも怖いですし、とはいえ連絡がないのもしばしばあり心配しています。
本人の希望通り、運転させてもかまわないでしょうか?

山田圭子 先生からのアドバイス
物忘れが多くなった父、クルマの運転が心配です。
まずは専門医で受診をおすすめします。運転をやめてもらう場合は穏和な方法で。

ご家族のお気持ちを察するとご心配なことと思います。

① 認知の傾向があるといわれたのはいつごろですか? 主治医からですか?
 

もの忘れ=認知症と捉えられることが多いですが、必ずしもそうだと限らないので病気の状態を知るためには、主治医の先生が認知症の専門医でないとしたら専門医受診をお勧めします。神経内科や精神科、脳神経外科が専門です。また、もの忘れ外来などを開いている内科でも可能かと思います。初期であれば治療方法がある場合も、また認知症と思っていたが実は違う病気で、早期の治療が必要な場合もあります。他には飲んでいる内服薬が原因のことも考えられます。何故このようなことを先に伺うかというと、車の運転をさせるべきかどうかということを主たる悩みに考えてしまうと重要な問題を落としそうにもなります。目の前で起きている悩みだけにとらわれすぎないようにすることが重要だと思います。本来解決しなければならない問題が後回しになってしまうかもしれません。
 

ご相談の「本人の希望通り、運転させてもかまわないか」についてですが、介護者であるあなたは、お父さんに車は運転してほしくはない・・・・しかし、大好きな釣りを取り上げてしまうのもかわいそうと思っているのではないかと思います。つまり、車の運転はさせるのは怖いけれど、好きな釣りは続けさせてやりたいと思っているのではないでしょうか。もしそうであるとすれば、釣りと運転を別々に考えることはできないでしょうか。家族の負担は少々増えるかもしれませんが家族が心配することなく、大好きな釣りを続けてもらうのには、人の力が必要です。家族ができない部分は今までのお仲間にも力を貸してもらえるよう相談してみることができないでしょうか。

 
現在のお父様の状態からみると、「乗ってはいけない」と言えば言うほど心は頑なに、なりそうです。危ないといくら叫んでも理解は無理かもしれません。でもお父様自身が「もう乗れない」と認識できるような方法をとることも考えられる方法といえると思います。実際の事例を紹介します。
 

1) 認知症でもピック病といわれる方の場合ですが、自宅駐車場の車を乗ると言い、鍵を持ち出し数回車道に出てしまったことがあり、妻が心配で採った行動は、車のバッテリーをはずしてしまう(使えない状態にする)ことでした。鍵を持ち出してはエンジンをかけるがかからない、どうしたらよいか迷うところで、修理に出したらどうかと持ちかけたという形でした。バッテリーが壊れたら車は動かない、修理が必要という認識はあるので、動かない=今は乗れないとなり、妻と歩いて買い物に行くようになった事例です。
 

2) もうひとつは、免許の更新をしなかったケースです。免許が切れていて乗るのは違反という認識は残っているので、免許が切れて無効であることを告げたら、運転手の交代で、妻が運転し夫は助手席というパターンに変わった事例です。
 

好きな釣りが続けられる方法に焦点をあて、楽しみを続けていける時間を意識的に作ることも方法の一つではないかと思います。