介護従事者、身体の悩み「腰痛」をトレーナーの視点で改善します

介護従事者、身体の悩み「腰痛」をトレーナーの視点で改善します

介護従事者、身体の悩み「腰痛」をトレーナーの視点で改善します
国方 晴彦 氏 | チーフ・トレーナー(リエゾン・ヘルス・ネットワーク)

老々介護や日本の超高齢化社会の現状も相まって、介護福祉士等の介護従事者の役割が社会に認知され、今後ますますその活躍が期待されています。
しかし、経験があり高い技術を有する介護従事者が体調不良を訴え離職するケースが多いことも指摘されています。
中でもその大半を占めるのが「腰痛」といわれ、ある調査では介護従事者の実に8割が腰痛の経験があると答えています。
介護の現場では移動介助や入浴介助等、無理な姿勢での長時間作業が続くため、介護従事者は他の職業と比べても腰痛を引き起こすことが多いのです。

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なぜ腰痛がおきるのか?腰痛のメカニズムと姿勢の因果関係

背骨は積み木のように積み重なっている「椎骨」という24個の骨と、骨と骨の間でクッションの役割を果たす「椎間板」から成り立っています。
 

背骨の中央には脊髄神経が通っている「脊柱管」という孔があります。そして「椎間関節」という関節がそれぞれの節にあるため、腰を伸ばしたりかがめたりという柔軟な動きをすることが可能になります。
腰痛を引き起こす際には、この背骨の構造を支える筋肉や靭帯、さらにはそれらを機能させる神経も関わります。
腰痛には、ぎっくり腰のように突然起こる急性腰痛症から、繰り返し起こるしつこい慢性腰痛症まであります。
急性腰痛の場合は、腰の痛めた部分が少なからず炎症を起こしていることが多く、これを鎮めるために冷却する等の安静処置が必要とされていますが、慢性腰痛については、普段の生活習慣や運動習慣が原因になることが多いようです。
 

身体に負担がかかる作業が多い肉体労働でも、長時間同じ姿勢を続けるようなデスクワークでも腰痛になることがあります。腰に負担がかからない姿勢をとれば、腰を支える筋肉の働きもしっかりしてくるのですが、腰に負担がかかるような無理な姿勢が続けば、腰に悪い刺激が入り、腰を支える筋肉の力が弱まってしまうことがあります。
 

筋肉の疲労により筋肉の力が弱くなると、血液循環が悪くなり、痛みを発生させる物質が産生され、筋肉の緊張も強くなってしまいます。すると、腰部に不快感や痛みを繰り返し感じるようになってしまうのです。
それが毎日のように繰り返されると、椎間板の水分が減少して、後々そこに亀裂が入るような悪い変化が起こる可能性もあり、状態によっては、それが原因で腰痛やそれに関連する体の不具合を引き起こすことにもなりかねません。

運動不足が腰痛の原因

慢性腰痛の人は前述したように、腰を支える筋肉が緊張して硬くなっている場合が多いようです。
これは軽症の段階では、腰周りの筋肉の緊張をほぐすようなストレッチを行うことによって、ご自身で緩和させることができます。
 

また、仕事の合間や普段の生活の中のちょっとした合間の時間にでも取り組めるような簡単なエクササイズを行うことによって、急性腰痛の予防や腰の疲労感を軽減させていくことができるでしょう。
次回から2回にわたって、介護従事者の方に役立つ腰痛改善・予防のためのストレッチ&エクササイズをご紹介していきます。

参考資料

「介護従事者:8割に腰痛経験」出典:毎日新聞

2005年7縲鰀10月、全国402カ所の介護事業所の介護従事者に腰痛に関するアンケートを行った。調査は滋賀医大、北原照代講師(労働衛生学)らの研究者グループが実施。