快適さの陰に潜む真の脅威に気づき、本当にシニアの役に立つサービスを開発

快適さの陰に潜む真の脅威に気づき、本当にシニアの役に立つサービスを開発

小川 義行 氏 | イー・ライフ・グループ

介護予防事業にいち早く取り組み、介護保険適用フィットネス型デイサービス「リハビリデイサービスnagomi」(以下「nagomi」)を全国に展開するイー・ライフ・グループ。同社のビジネスを牽引する代表取締役社長の小川義行氏に、「nagomi」をスタートするまでの経緯やビジネスモデルなどについて話を聞いた。

快適さの陰に潜む真の脅威に気づき、本当にシニアの役に立つサービスを開発
イー・ライフ・グループ株式会社
1999年8月設立。ヘルスケア事業として、リハビリデイサービス「nagomi」を運営し、全国に23施設(直営5、フランチャイズ18 平成21年2月現在)を展開。また、設計、建設事業として、介護保険住宅改修や介護、医療施設の設計、施工などを行っている。

イー・ライフ・グループが展開する「nagomi」は、全国に23施設を擁する介護保険適用フィットネス型デイサービスである。利用者は、間にティータイムを挟みながら、レベルに合わせたヨガストレッチや筋力トレーニングを仲間と行い、1日3時間を「nagomi」で過ごす。通常の介護では50%の人の要介護度が悪化する中で、「nagomi」の利用者の80%はレベルを維持しているという。この優れたサービスは、どのようにして生まれたのだろうか。

85歳の女性に教えられたバリアフリーの落とし穴

1001_INT_kizi_1それまでのビジネスを根幹から揺るがす転機は、2003年に訪れた。小川氏が1999年に創業したイー・ライフ・グループ(当時の社名はテックオガワ)の立ち上げたバリアフリー住宅専門のリフォームビジネスが、順調に成長していた頃のことだ。

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そのユーザーは、85歳の女性で築50年の住宅に住んでいた。上がりがまちの段差も高く、家の中にも段差が多い。腰がほぼ90度に曲がった身体にとって、その古い住宅は、いかにも辛そうに見えた。そこで、さまざまな提案をし、ほとんど新築に近いバリアフリーの快適な家に作り替えた。完成すると、その女性もとても喜んでくれた。

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しかし、半年後訪ねたところ、その女性は寝たきりになっていたという。バリアフリーになったことで、身体を動かさなくなってしまい、筋力が弱ってしまったのだ。そのため、屋外のわずかな段差が越えられず、転倒して骨折し、寝たきりになってしまったらしい。

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「よかれと思って行ってきたことが、もしかしたら却ってよくなかったのかもしれないと初めて気がつきました」と小川氏は振り返る。

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その後、小川氏の号令の元、改めて顧客500件の追跡調査をしたところ、約8割の要介護度が上がっていたという。

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「結局、段差をなくすのではなく、段差を越えられる体力を身につけることが重要なのだとわかりました」

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そこで、リフォームの方法を段差を残しながら色を付けてわかりやすくするなど、その人に合った体力を損なわない方向に転換。それと同時に、高齢者の体力増強を支援する新たなサービスを模索し始めた。

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