質を底上げする暗黙知の活用

質を底上げする暗黙知の活用

神成 淳司 氏 | 慶應義塾大学 環境情報学部

質の高い介護を目指し、新しいDCM(認知症ケア・マッピング)等に取り組む神成 淳司氏(慶應義塾大学 教授)は、より良い介護とは「マニュアルに頼らず、気づきを生みだすこと」だと語る。介護現場の支援ツールとして、ニンテンドーDSでは初めてとなる業務用ソフト「すぐろく」を開発した神成氏にその開発経緯を聞いた。

質を底上げする暗黙知の活用
神成 淳司 プロフィール
工学博士。慶應大学で環境情報学について教鞭をとるかたわら、小規模農家をITで結ぶ実験、日本経済をソフト面から強化、地域における人材教育についての研究に取り組んでいる。個人のホームページ「SHINJO Atsushi on the web」も開設している。好きな言葉はJonas Salkの"Hope lies in dreams, in imagination and in the courage of those who dare to make dreams into reality."。

新しい試みに試行錯誤

しかし、Nintendo DSで初の業務用ソフトという事もあり、途中には様々な紆余曲折がございましたが、介護現場のIT化に精通したWISEMAN社の方々、そしてDSでのゲーム開発経験を持つCommunity Engine社の方々の尽力もあり、何とか短期間で開発を終え、発売にこぎ着けることが出来まして、非常に嬉しく思っています。使用して頂いた方々の評判も上々のようで、今後の普及に期待しています。

「気づき」をサポートして、さらなる効果へ

すぐろくの発売は、私の想像を超えて大きな反応となっていますが、まだまだ介護現場全体の状況を改善するには不十分です。私自身も、DCM等の手法の活用を始め、様々な取り組みを進めています。その中で、今後、最も重要だと考えているのは「気づき」です。

働く方も介護を受ける方も、「気づき」を通して様々な問題を解決してきました。マニュアルに頼る介護には「気づき」が存在しません。自発的な行為が「気づき」を生み、働く喜びへとつながるのではないでしょうか。

すぐろくは、その「気づき」を生み出すためのきっかけとなる道具でもあります。すぐろくをどのように活用すべきなのか、そして更にその効果を広げるためにどのような取り組みが必要なのか。このような事を考えながら、日々、様々な現場を訪問し活動の輪を広げています。

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